【生地の学校 56】「合成繊維 "ポリエステル" ~リサイクル工程~」
こんにちは。
今回は生地の紹介記事です。
前回までで日本メーカーの代表的なリサイクルポリエステル素材について紹介させて頂きました。
今回はそのリサイクル工程と重要性を皆さんに少しでも知って頂ければと思い紹介します。
「ポリエステル リサイクル工程」
①ペットボトル(回収)⇒②フレーク(粉砕)⇒③ペレット(造粒)※分子レベルで分解と生成⇒④糸⇒⑤生地
大まかにだけでこれだけの工程が必要になります。
当然、回収したペットボトルをそのまま使用するわけにはいきません。
仕分けや洗浄が必要になってきます。
新たにポリエステルの糸を生み出すよりも倍以上の工程が必要と思って下さい。
当然コストは高くなりますよね。工程が多いんですもん。
リサイクルポリエステルの素材が一気に普及していかない主な理由は、主にコスト高と再現できる糸の制限です。(つまり生地のバリエーションの制限になります)
※コロナショックにより一時的に抗ウイルス素材が急増したことも一因ではあります。
前回までに紹介したようなメーカーの技術力も手伝い、再現できる糸の品種は増えてきています。でも、製造コストは上がってしまいます。
これが一番のボトルネックになっていると思います。
リサイクル素材は使いたいけど、コストアップは受け入れれない。
それが今の現状です。
普及していくには強い意志が必要ですね。
ポリエステルの糸は石油という有限な資源を原料としており、さらに日本はその石油は海外からの輸入に依存しています。
資源が枯渇した将来に備え、あるいはそうならない為にもペットボトルをリサイクルした素材を普及させることが必要ではないでしょうか。
本日の紹介は以上です。