【書籍紹介 4】怒涛の急成長!「ワークマンはなぜ2倍売れたのか」
こんにちは。
今回は久しぶりの書籍紹介です。
今回、今話題のワークマンの本を読んでみました。
ワークマンplusの出店以降、ワークマン女子という言葉も広まり気にはしていました。
店舗数の多さから新規営業に行けないかなと新入社員時代に少し調べたこともありました。(今考えると怖いもの知らず過ぎて自分が恐ろしい・・・)
以前の記事で紹介させて頂いたようにスーツの展開をスタートするという発表からいよいよ気になりだしてしまい、本書を手に取るに至りました。
「過去記事」
ワークマンとは?
ワークマンは1980年に群馬で創業した職人向けの作業服専門店です。
"安くて高機能"が最大の強みで今では日本全国に869店舗を展開しており、国内店舗数のはあのユニクロに匹敵するほどです。
また、その店舗数の95%がフランチャイズ店というのも大きな特徴です。
では、ワークマンはなぜここまで急激な成長を遂げたのでしょうか。
一言で表すと"高い基礎と変化する力"だと思います。
本書でフォーカスされているのは主に変化の方で具体的には以下の3つの変化が大きなポイントです。
1、ワークマンを変えた男とPB化
ワークマンの急成長をこの人無しで語ることは出来ないでしょう。
土屋哲雄氏です。
彼は創業者である土屋嘉雄氏の甥っ子にあたり、元は三井物産で商社マンとして勤務していました。
定年後、嘉雄氏の誘いでワークマンに入社しました。
しかし、当初いわれたのは「何もしなくていいから」の一言。
哲雄氏が入社した頃のワークマンは頑張らなくてもいい社風でした。
それは決してだらけているわけでなく、全てがマニュアル化されていて誰でも運営出来る仕組みが整っていたからです。
特に経営が危うかったわけではなく、悪い会社だったわけでもありません。
むしろいい会社でした。
しかし、哲雄氏はこのままではいずれ頭打ちをすると考えPB化をスタートしたのです。
いわゆる自社ブランドの開発です。
メーカーから仕入れた商品(NB)を販売するだけでなく、ユニクロやニトリを目指してPB化に踏み切ったことこそ大きな一歩だと思います。
スタート当初は創業者である嘉雄氏にも内緒で、在庫が残ったら首を覚悟でやったとのこと。
なんとPB商品の目標原価率は驚きの65%とのこと。高すぎる・・・。
原価率の高さを売りにしているところも50%が一般的なので。
2、徹底的なエクセル データ経営
また、哲雄氏は徹底的なエクセルでのデータ経営を推し進めました。
ワークマンの経営はマニュアル化されていると述べましたが、データ管理は全くと言っていい程されていなかったようです。
バイヤーの経験則や勘に頼った判断が横行していました。
実際はこれはアパレル業界ではよくある話です。むしろまだその体制の企業の方が多いのが現実だと思います。
哲雄氏はここに徹底的にメスを入れました。
社内での講習制度を確立し、今や全社員がエクセルを達人級に扱えると言います。
店舗で活用しているワンタッチでの仕入完全自動化の便利ツールも社内のエクセル達人の手から生まれたものはあるんだとか。
データ活用という目的において、なぜAIを選択しなかったのか。
AIはすぐに結果を教えてくれるから社員が考える力を失ってしまうからだと言います。
社員のデータに対するリテラシーが高まってからAIの導入を検討するとのこと。
先輩社員の前例に基づく経験則や勘ではなく、今起きていることのデータに基づいて判断する習慣が身についたことも大きな利点だと思います。
前例は度外視してデータに基づいて変化することへのハードルが下がったのです。
3、インフルエンサーの活用
ワークマンはそのデータ経営によりインフルエンサーという存在も見落とさず、うまく味方につけました。
きっかけはバイカーにレインウェアが、登山者にメリノウールソックスがよく売れていることに気付いたことでした。
その分野で影響がある人の発信により広まっていったのです。
ここでワークマンは自分たちが適切な用途を提案できておらず、潜在客を取りこぼしてしまっていたことに気付きました。
それ以来、自分たちでワークマンの商品に熱心なインフルエンサーを見つけ出し、捕まえて共同開発などを行っています。
僕が気になったスーツもそんなインフルエンサーとの共同開発品だったようです。
「参考記事」
変化や誤りを素直に認めて変化していく、それこそがワークマンの急成長の原動力は"変化する力"だと感じました。
きっとそれを支えてる"高い基礎"も不可欠なのでしょうが。
近くにお店が無くて残念ですが、お店も見に行ってみたいなと思わされました。