今がその時 "服飾2.0"

~川上から川下に精通する業界人が紐解くアパレル産業事情~

"服と心の寺子屋"

~紡ぐを育むその先に~
まずはじめに御挨拶
素材と縫製の基礎講座
業界の今とこれから
心の羅針盤

【書籍紹介③】現役商社マンが語る!!「僕たちはファッションの力で世界を変える~4~」

 

こんにちは。

ふく たびおです。

 

今回で本書籍の解説も最後となります。

1回目の記事を5/17に掲載したので、半月以上かかってしまいました。

「流石に内容を忘れてしまったよ」という方は読み直して頂けると幸いです。

 

「初回記事」

fuku-to-fukutabi.hatenablog.com

 

それでは今回も解説をしていきたいと思います。

 

 

f:id:Kim-Fukutabi:20200517104227j:plain

 

 

 

1、2人の運命を変えた出会い

 

強い信念を持って世界一のアルパカセーターをつくる活動続けていた聡と清史は運命を変えたと言っても過言ではない2人との出会いを通し、アルパカセーターの品質を今のそれまで高めることが出来ました。

 

 

1人目の出会いはエンリケです。

彼はペルーにある世界有数の有名ニット工場で勤めるニット部門の責任者です。

初めてペルーを訪れてから2年をかけてようやく2人が納得のいく商品が上がってきたが、2人はアパレル業界では素人、その商品も鳴かず飛ばずの結果でした。

 

"素晴らしい原料があっても、それを形にする生産背景が今のままでは通用しない。"

2人は今の生産背景だけでのモノづくりに限界を感じ、エンリケの勤める工場へ訪れたのです。当然、相手は世界有数の工場なので相手にしてもらえないだろうと不安でした。

 

ところがエンリケは2人の考えに共感し、全面的に協力すると上司を説得してくれたのです。

彼も正義感が強く、アルパカを飼育する牧畜民たちが報われない状況を憂いていました。また、それがアルパカ繊維の品質が現状からなかなか向上しない原因とも考えていました。そうした問題の根本の解決に繋がる2人の活動に共感したのです。

 

 

2人目の出会いはアロンゾです。

彼はパコマルコ研究所を設立し、アルパカ繊維の品質向上と地方民俗文化を保護を通し地域経済を土台から安定させる取り組みを行っている。(パコ=アルパカ / マルカ=国)

その実現には牧畜民の啓蒙活動と生活水準の向上が必要不可欠と考えています。

 

例えばアルパカの原毛の値段はその細さで決まりますが、ほとんどの牧畜民がそれを知らずに買い手から利益を搾取されていたのです。

価値を知らないがゆえに搾取されて生活水準は向上せず、日々の生活に精一杯で知識を身に着ける環境もモチベーションも無く搾取され続ける。

そんな負の循環が蔓延っていました。

アロンゾはそんな状況を変えようと尽力していたのです。

 

当然、聡と清史と気が合わない訳がありません。

3人はパートナーシップを結び、聡と清史はアロンゾから多くのことを学びました。

 

 

2、終わらない挑戦

 

2人の強い信念が多くの人の心を動かし、"THE INOUE BROTHERS..."は成長を遂げてきました。確かに聡と清史には元よりデザインの才能があったかもしれません。

しかし、その発展の大部分を担ったのは間違いなく2人の熱意だと思います。

 

ファッションの力で世界を変えるなんてことは確かに大それたことかもしれません。

2人の活動もまだまだ道半ばで、世の中が大きく変わるのはまだまだ先のことでしょう。きっと2人だけの力では実現することも難しいと思います。

でも、彼らの活動とその熱意がそれに触れた人々に伝染し、広まっていけばきっと不可能ではないはずです。

 

もちろんこれはファッションを通す活動に限ったことではありません。

なんだっていい、大切なことは世の中の不条理に無関心にならず、立ち向かう勇気を持つことです。

そんな人が増えていけば、きっと世界はポジティブな方向へ変わっていくはずです。

 

 

本書を通して感じるのは夢の実現には才能よりも熱意の方が重要で、その熱意を通してこそ人が共感し動き、世界を変えることだって不可能ではないということです。

 

 

ファッションについてというよりは、生き方について学ぶことが多い一冊だと思います。興味を持って頂いた方はぜひ読んでみて下さい。

 

最後までご覧頂きありがとうございました。

今回の書籍紹介は以上です。

 

 

 

 

にほんブログ村 ファッションブログへ
にほんブログ村