【書籍紹介③】現役商社マンが語る!!「僕たちはファッションの力で世界を変える~2~」
こんにちは。
ふく たびおです。
今回の記事は前回の書籍紹介の続きです。
「前回記事」
fuku-to-fukutabi.hatenablog.com
今回は聡と清史の2人のペルーでの転機と2人の活動についてです。
1、世界一のアルパカセーター
2人は友人からの誘いでペルーにアルパカを見に行きました。
そこで2人が体感したことはアルパカの繊維の素晴らしさとその牧畜民の厳しい労働環境でした。
アルパカはアンデス高原と呼ばれる標高4,000m近い環境に生息しています。
当然、寒暖差も激しい過酷な環境なのでアルパカの毛は温度調整機能に優れています。
とにかく暖かいというよりは快適な温度を保ってくれるイメージです。
これは繊維に細かい空洞があることに由来しているのですが、それ故に軽さも伴います。また、柔らかく滑らかな風合いも特徴です。
そんな厳しい環境下なので木々は少なく作物の栽培は困難な為、その地域の人々はアルパカの毛や肉を売ることを主な生活の手段としていました。
彼らは南米一貧しいとされるペルーのボリビアの中でも貧しい方と言われています。
毛刈りの道具すら持たず、ガラスの破片や空き缶の切れ端を代用していることもしばしばあるようです。
それでは毛がキレイに刈れないどころか、大事なアルパカを傷つけてしまいかねません。
そんな環境下でも彼らは笑顔を絶やさず、子供たちも元気に走り回っている。
2人はそんな光景に気高さすら覚え、彼らの価値観が大きく揺らぎました。
先進国の物質的な豊かさはではなく、本当の豊かさや幸せのヒントをそこに見出したのです。
2人はアンデスの人々の魅力に惹かれ、こう思いました。
"世界一のアルパカセーターをつくって、アンデス地方に住む人々の力になりたい"
これが2人がブランドの代表商品であるアルパカセーターをつくるに至ったきっかけです。また、この"世界一"という部分が彼らの活動を知る上で重要になります。
「アンデス高原とアルパカ」
2、ボランティアのその先へ
2人が目指すのはソーシャル・アントレプレナーという生き方です。
それはよりよい未来をつくるために様々な問題や課題を取り組んでいる人たちのことを指します。自らのビジネスの中で仕組みを築いたり変えていくことで世の中を正しい方向へ導きます。
ボランティアと異なるのはあくまでビジネスの中で活動をしていく点です。
例えば、社会貢献だけを謳っていてもアルパカの商品が売れなければアンデスの人々へ利益を還元出来ません。だからこそ世界一である必要があると考えているのです。
一定期間の手助けだけでは、期限が過ぎてスタッフが立ち去るといつの間にか元の現状に戻るなんてことはしばしばあります。
そうではなく、根本から仕組みを変えていくのです。
こうして2人はデザイン・ブランディング・ストーリーテリングを通して、アルパカ本来の価値を伝える活動を始めます。
しかし、ファッション業界において素人同然の2人にとってその道のりは決して平坦なものではありませんでした。
上がってくるサンプルは素人の2人が見ても散々、ようやく満足の出来る商品が上がってきたのは2年後のことでそした。
しかし、その商品で成功を収めたわけではありません。
商品としての今の地位は困難な道のりでも諦めずもがき続け、周囲の人々に支えられた結果です。そんな2人の原動力はいったいどこからやってくるのでしょうか。
次回の記事ではソーシャル・アントレプレナーとしての2人の原動力の源について解説していきます。
長くなりましたが、本日は以上です。