【生地の学校㊹】「天然繊維 "ウール"~Super 100'S~」
こんにちは。
今回は生地の紹介記事です。
前回までは獣毛を含む様々な原料について紹介してきました。
しかし、ウール素材の風合いは原料だけでは決まりません。
番手や打ち込みなど様々な要因で決まっていきます。
今回はそんなウール素材の風合いに関わる内容について紹介していきます。
「Super 〇〇〇'S」
IWTO(国際羊毛繊維機構)とTHE WOOLMARK COMPANYによって定められたウールの原料の細さを表す数値です。その数値が大きい程、原料は細くなります。
例えば、Super100'SよりもSuper 120'Sの方が細い原料となります。
また、よくある勘違いが「Super 100'S=100番手等」の番手(糸の太さ)との混同です。
番手は糸の太さを表し、Super 100'Sはその糸を構成する原料の太さを表します。
さらに、このSuper 〇〇〇'Sの表記のやっかいな点があります。
それはその素材に構成されているウール全ての原料の細さが表記に対応するものでなくてもいいのです。
例えば、ウール100%の生地でSuper 140'SとSuper 90'Sの原料を使用しているものがあるとします。これをSuper140'Sと表記できてしまうのです。
一概に糸や原料が細くて柔らく滑らかな風合いの生地が良いとは思いませんが、これは少し不親切な表記方法とも思います。
Super 〇〇〇'Sもウール素材の風合いを決める一因ではありますが、その全てではありません。
オーダースーツ等の生地を決めたりする際に、それを頭に入れておいて頂ければと思います。
各Super 〇〇〇'Sの原料の細さが何μかはネットで調べればすぐに出てきます。
今回は概要だけ知って頂ければと思います。
本日の紹介は以上です。