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現役商社マンが語る!!「繊維商社とは?」

 

こんにちは。
ふく たびおです。

今回は私が勤める繊維商社について実際に働いている者の目線から解説していきます。 

 

 

 

 

1、そもそも商社とは?

 

 

一言で表すなら「売り手と買い手の要望に基き、それぞれを結びつける仲介役」です。


商社言えば、グローバルで海外との取引が多いイメージが強いかと思いますが、それは買い手の要望が「出来るだけ安く仕入れたい」などに代表するように海外仕入れへと変化してきたからです。

そのような要望に基づいて業務の主を担うようになったのが輸出入等の貿易です。
そして、常に売り手や買い手の要望を吸い上げながら新たな販売先や仕入先の開拓に従事してきました。

 

当然、その過程でたくさんの情報が集まるようになります。
その情報を活かし増えてきているのが事業投資です。
将来有望な企業に投資を行い、育てることで配当を得たり、流通~販売までの一連の流れを改善/強化することで利益を得ます。

 

また、多くの人が最初に浮かぶ「メーカーと何が違うの?」という疑問については取引において自社製品を扱う(メーカー)か他社製品を扱う(商社)の違いと答えることが出来るでしょう。 

その為、お客様からの要望に対してより 幅広く対応出来るのも商社の特徴です。

 

 

2、総合商社と専門商社の違いは?

 

 

ありきたりな説明ですが、一番大きな違いはやはりその事業領域の幅でしょう。

 

総合商社は「インスタントラーメンからミサイルまで」と言われるように本当に幅広い業界の商品を取り扱っています。

一方、専門商社は専門の商品の取り扱いに特化した専門家集団と言えます。

 

新たな事業の立ち上げ等は規模感の大きい総合商社が勝るでしょう。
一方、商品に特化した細かい対応については専門商社の方が勝っていると思います。

 

また、就職活動の面において、〇〇の分野に携わりたいと明確な意思がある方には専門商社をおすすめします。

総合商社はその事業の幅広さゆえに配属される部署も幅広いからです。

 

 

3、繊維商社とは?

 

 

これについては、ここまでの説明で皆様もわかってきたかと思います。

そうです、繊維製品を専門に取り扱う専門商社のことです。

 

その繊維製品とは主に以下の2つに大別される。

■アパレル製品

■産業資材 (例:車のシートやビニールシート等)

 

私の勤める会社ではその中でも前者のアパレル製品に特化しています。

 

日本ではユニクロに代表されるSPA(企画/製造から小売りまでは一貫して行う)企業の台頭が著しいですが、ほとんどの会社はその実践が難しいのが現実です。

SPAを掲げながらも実は商社が間に介在しているなんてことはよくある話です。

 

しかし、SPA実現の難易度の高さは相当なものであることは事実です。

それだけにいかにユニクロがすごいかを痛感するばかりです。

※SPAについては改めて取り上げて説明していきたいと思います。

 

繊維商社はSPAの実現が難しい大多数の企業に対する企画/製造や輸出入のお手伝いをすることが主な業務となります。

その企画は生地段階から、時には糸や原料の段階からの企画にまで至ります。

それだけでなく、国内の物流面までサポートすることも一般的です。

このように繊維商社では繊維製品に関わる企画~納品まで、まさに1から10までに携わります。

 

 

以上、現役商社マンが語る繊維商社についてでした。

少しでも参考になりましたでしょうか。

 

次回は私が繊維商社を志し、勤めるまでに至った経緯を紹介させて頂きます。

 

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