【生地の学校③】「先染めとは」
こんにちは。
ふく たびおです。
今回も前回記事に引き続き、生地の解説を行っていきます。
前回は後染めについて紹介させて頂きました。
「前回記事」
fuku-to-fukutabi.hatenablog.com
織物は染め工程で後染めと先染め大別されると説明しましたが、今回は先染めについて解説を行っていきます。
「先染め」
生地を織る前に糸を染色し、色の異なる糸を組み合わせて生地を織ることで様々な色柄を表現する。一般的に後染めよりも様々な色柄の表現が可能。
また、中には繊維の段階で染色する場合もあります。
それがいわゆるトップ染めです。
「トップ染め」
繊維の束の状態(トップ)で染色してから糸にする。メランジ感や杢感の表現に優れる。
また、通常の先染めに比べて最低ロットが大きくなることも特徴。
前回の記事でも出てきたメランジ感や杢感はグレーの表現において使われるのが最も多いと思います。いわゆるグレー杢というやつです。
ちなみに、杢とは杢目のようなランダムな表情を指してそのように呼ばれるようになりました。
例えば、綿のグレー杢は白い綿に少量の黒のトップ染めの綿を混ぜて糸にしてつくります。糸自体をまだらにするのです。
このグレー杢を日本で初めて開発し、業界の基準色としたのが新内外綿という老舗紡績メーカーなのです。
今ではモクティとして同社が製品展開をしていますね。
グレー杢のパイオニアの製品、一度買ってみたいです。いや、買います。
以上で染め工程による分類の話はおしまいです。
簡単な説明ですが、知れば知るほど少しずつ生地の魅力に惹かれていきませんか?
次回からは組織による分類の解説を行っていきます。