【書籍解説②】現役商社マンが語る!!「鎌倉シャツ 魂のものづくり~第5章~」
こんにちは。
ふく たびおです。
今回も引き続き「鎌倉シャツ 魂のものづくり」の解説を行っていきます。
今回は第5章~ビジネスモデルを支える高い志~です。
本書の紹介も次回で最終となり、残すところわずかとなります。
本章では創業者の貞末良雄会長の志を原点とする同社の会社精神が語られています。
鎌倉シャツの経営を支える根幹であるその志について話していきます。
経営をしている方はもちろん、企業勤めの方にも間違いなくためになる考え方です。
それが、利他の精神です。
一般的には他人の幸福や利益を優先し自己を犠牲にするという意味合いですが、
今回は自分だけでなく取引先(得意先/仕入先)の利益も重んじることと捉えて下さい。
いわゆる三方よしの精神です。
反対の意味の言葉は利己の精神(利己主義)になります。
貞末会長の実家は江戸時代から代々続く呉服商でした。
その当時の商人の地位は低く、それ故に誇りと品格を重んじることの重要性を父に教わってきたことにより根付いた精神のようです。
さらに父から教わった言葉に以下のものがあるという。
"浮利を追わず、世のため、人のためにつくす。そこから、いくばくかの生活の糧を得られればいい"
浮利とはいわゆるあぶく銭のことです。
目先の自分の利益のみを追求して得た利益など、大した意味をなさない。
信頼を得れないことで、後で不利益を被ることが大半でしょう。
最近だとマスクを高値で販売/転売してる人たちがいい例かもしれません。
常日頃から利他の精神を貫き続ける会社や人は、窮地に陥った時に助けてくれる人は必ずたくさんいるはずです。きっと同じ精神を持った人たちが周囲にいるはずだから。
売上も信頼も積み上げていくのはとても大変で時間と労力がかかる。
しかし、それが消えてなくなるのはまさにあぶくのように一瞬なのです。
同社の会社の基盤を顧客満足に置くという考え方も利他の精神に基づくものです。
鎌倉シャツが値段以上の価値/品質の商品を提供することが出来るのは、ビジネス的な仕組み以前にこの考え方があるからなのです。
まさに、ビジネスモデルを支える高い志ですね。
ちなみに、同様の考え方を持つ代表例は京セラの創業者である稲盛和夫さんです。
利他の精神をもっと知りたいと思った方には以下の書籍をおすすめします。
次回は最終の第6章「究極のSPAはいかに生まれたか」です。