【書籍解説②】現役商社マンが語る!!「鎌倉シャツ 魂のものづくり~第3章~」
こんにちは。
ふく たびおです。
本書の紹介も今日は第3章~会社と社員に嘘はない~です。
早いもので、もう折り返し地点となります。
本章は前回の記事で紹介した仕入先への安定的な発注の基盤となる販売力、つまり販売員に焦点を当てた話となっています。
同社では販売員に対して"技術や知識よりも心に重きを置く方針"でモチベーションマネジメントが行われている。
当然、採用においても同様の基準だ。
その心とは具体的にどのようなものだろうか。
私は本書を通し、思いやりと前向きな姿勢だと感じました。
■思いやり
例えば、商品知識は同レベルで接客時におけるそのアウトプット方法が以下のように異なる2人の販売スタッフを想像してみましょう。
スタッフA:どのようなお客様にも同じように時間をかけて説明する。
スタッフB:相手に合わせて説明にかける時間を調整する。
皆さんはどちらの方が鎌倉シャツの求める販売員像だと思いますか?
スタッフBがそれにあたります。
確かに、スタッフAの接客はどのお客様にも平等で均一と言えるかもしれません。
しかし、そこに相手の要望を理解するという発想が欠けています。
お客様は千差万別であり、誰しもが丁寧で時間をかけた商品説明を求めてるわけではないのです。
現に私が同ブランドで買い物をする際は特に接客や商品説明は求めません。
当然初めてではなくサイズも把握しており、欲しい商品もある程度明確だからだ。
前章で紹介した鎌倉シャツの仕入先との取引鉄則である「相手の考えや事情をよく聞き理解すること」が当然お客様に対する接客でも求められているのです。
■前向きな姿勢
「指示された、指示されてない」・「言われた、言われてない」に基準を置かず、「こうやるべき、こうやりたい」という前向きな意欲を持った人間のことである。
相手の話を聞き、頂いた要望を実現していく能力にあたる。
これには本人の意思だけでなく、会社の風土による後押しもある程度は必要となる。
鎌倉シャツにはそれがあるのです。(次章での主な話)
思いやりと前向きな姿勢を兼ね備えた販売員が同社で育っており、それが驚異的な販売力を支えているのです。。
その土壌となっているのは嘘の無いものづくりによる商品だ。
本章は何人かのスタッフへのインタビュー回答により構成されているが、共通するのが自社商品に自信と誇りを持って売っているところだろう。
いくら心に重きを置いて販売をしなさいと教育したところで、実際に販売する商品が嘘だらけで自信を持てないようなものであれば本末転倒だ。
嘘のない上質な商品に下支えされ、嘘のない心豊かな社員が働く、嘘のない会社だからこそたくさんのファンをつくりその販売力を実現可能としているのだ。
次回は第4章「言いたいことを言う 自由な風土」です。