【映画に学ぶ②】モッズコートの起源「さらば青春の光」
こんにちは。
ふく たびおです。
本日は私の好きな映画の紹介を通し、ファッション知識を解説していきます。
今回はモッズコートの起源/由来についてです。
そして紹介する映画がこちらです。
「さらば青春の光」どこか聞き覚えのある響きですね。
ある芸人のコンビ名にも使われています。
本作品は1960年代のイギリスを舞台とし、ファッションや音楽をベースとする2大スタイルの対立と若者たちの青春を描いたものです。
その2大スタイルがロック(ロッカーズ)とモッズです。
ロック(ロッカーズ)の方が皆さんに馴染みのある言葉だと思います。
本作品ではモッズ側の視点をメインに描かれています。
この2つのスタイルの対立におけるお互いのイメージはこうです。
・ロック(ロッカーズ)⇒モッズ=いい子ちゃんで女々しい(洗練)
・モッズ⇒ロック(ロッカーズ)=野蛮で時代遅れ(男臭い)
それぞれのスタイルの特徴は以下の通りです。
※対比説明の為に一部割愛します。
■ロック(ロッカーズ)=男臭い
・革ジャンにリーゼント
・単気筒バイク
■モッズ=洗練
・細身の3釦スーツ
・Vespa(イタリアのスクーター)
まず服装ですが、革ジャンとスーツという真逆のスタイルです。
まさに男臭さと洗練の対比ですね。
そして乗っているバイク、ロックのそれが単気筒とシリンダー剥き出しなものに対し、モッズはスクーターを主としている。
これはエンジン剥き出しのバイクではスーツが汚れるというのが理由です。
「モッズスタイルの細身スーツとスクーター」
さらにモッズではバイクに乗る際にスーツが汚れないようにとコートを羽織るスタイルが主流でした。
このコート、見覚えのある方も多いのではないでしょうか。
日本だと踊る大捜査線の織田裕二やSEKAI NO OWARIが着用しているのが有名ですね。
これがいわゆるモッズコートです。
モッズが愛用していたこのコートを後にモッズコートと呼ぶようになりました。
モッズパーカーやフィッシュテールパーカーとも言いますね。
正式にはアメリカ製のM-51となります。
※M-51は主に50年代に使用されたモデルのことです。M-51以外にも様々なモデルがあります。
細身のスーツをビシッと着て、スーツを汚さないようにエンジンの隠れたスクーターに乗り、さらにモッズコートを羽織る。(防寒の意味もありますが)
徹底してますね・・・。まさに洗練というイメージです。
このモッズスタイルが当時イギリスの若者の間では1大トレンドでした。
あのビートルズもデビュー前はロック(ロッカーズ)のスタイルだったのをマネージャーのアドバイスでモッズに切り替えたという話も有名ですね。
本作品はあいつらのダサいスタイルとは違う、自分はみんなとも違う個性的なスタイルだと主張し、時にぶつかり合い葛藤する青春を描かれた映画です。
自分なりのスタイルを求めるという点においてはロック(ロッカーズ)もモッズも同じなのに。
青春って当事者以外には理解不能な部分がありますよね。
その当時者ですら大人になってから思い出すと恥ずかしくなるくらいに。
でも、それくらいの熱量がきっとスタイルを創り上げていくんでしょうね。
今回の紹介は以上です。
気になった方はぜひ、この自粛期間中にご覧下さい。